
同じ黒い木管楽器として並ぶことの多いオーボエとクラリネットですが、実は音色も吹き方も、演奏する役割もまったく違う「性格」を持っています。この記事では、楽器初心者の方にも分かりやすいように、見た目や構造、音の違い、難易度、費用面、吹奏楽やオーケストラでの役割まで丁寧に解説していきます。
すでにどちらかを演奏している方にも「そうそう」と納得していただけるよう、実際の演奏感覚に踏み込んで比較しています。これから始める楽器選びの参考にも、今吹いている楽器への理解を深めるきっかけにもしていただければうれしいです。
オーボエとクラリネットはどんな楽器?ざっくり概要
どちらも「木管楽器」に分類されますが、発音の仕組みが大きく異なります。
オーボエは「ダブルリード」、クラリネットは「シングルリード」という方式で音を出します。
| 項目 | オーボエ | クラリネット |
|---|---|---|
| 発音方式 | ダブルリード(2枚のリードを直接くわえる) | シングルリード(マウスピース+リード) |
| 主な種類 | オーボエ in C(通常これ) | B♭クラリネット、Aクラリネットなど |
| 調性 | 実音(書いてある音がそのまま鳴る) | B♭管・A管など移調楽器 |
| 主な活躍の場 | 吹奏楽、オーケストラ、室内楽 | 吹奏楽、オーケストラ、室内楽、ジャズ、ポップスなど |
この「ダブルリードか・シングルリードか」と「移調楽器か・実音か」が、のちほど説明する音色や難易度の違いにもつながってきます。
オーボエとクラリネットの見た目の違い
パッと見はどちらも黒くて細長い楽器ですが、よく見ると違いがたくさんあります。
オーボエは、全体的にスリムで、ベル(先端の開いている部分)がやや広がった形をしています。キーの配置は細かく密集しており、上管から下管まで銀色のキーがびっしり付いている印象です。上端には金属製の細いチューブ(スティープル)に刺さったダブルリードが付いていて、マウスピースのような大きな部品はありません。
クラリネットは、オーボエより少し太めで、ベルは比較的シンプルな広がり方をします。上端にはマウスピースとリガチャーがあり、その間に一枚のリードを挟みます。管体は4〜5つのジョイントに分かれ、バレルと呼ばれる短い管がつくこともクラリネット特有の見た目です。
| 見た目のポイント | オーボエ | クラリネット |
|---|---|---|
| 太さ | 全体的に細い | やや太め |
| ベルの形 | 付け根からなだらかに広がる | 比較的シンプルなラッパ状 |
| 口元のパーツ | ダブルリードのみ | マウスピース+リード+リガチャー |
| キーの印象 | 細かく密集、繊細な機構 | やや大きめで数も多いが、配置は少しゆったり |
ステージ上で見分けるときは、上の口元部分を見ると一番早く判断できます。リードだけがちょこんとついていればオーボエ、黒いマウスピースとリガチャーが見えればクラリネットです。
音の違い、オーボエは「よく通る声」、クラリネットは「懐の深い声」
音色の違いは、実際に吹奏楽やオーケストラを聴くとすぐにわかるポイントです。
オーボエの音は、ダブルリード特有の「鼻にかかったような」「切なく歌うような」響きがあります。線は細いのですが、とてもよく通り、オーケストラ全体の中でも埋もれずにメロディをはっきり主張してくれます。映画音楽などで、しみじみとしたメロディが一人で流れているとき、それがオーボエであることは少なくありません。
クラリネットの音は、より柔らかく、丸く、低音から高音まで懐の広い音色を持っています。低音域は少し暗く、しっとりとした雰囲気がありますが、中音〜高音域では明るく軽やかなキャラクターにもなります。同じ楽器なのに音域によって性格が大きく変わるのもクラリネットの面白さです。
音域についても違いがあります。
オーボエは、おおよそ B♭3〜G6 程度までの音域をカバーし、中〜高音域を得意とします。
B♭クラリネットは、E3〜C7 付近までと、オーボエより低い音もかなり出せる一方、最高音も高く、約3オクターブ以上の広い音域を持ちます。(※音域の表記は楽譜上の一般的な目安です)
| 項目 | オーボエ | B♭クラリネット |
|---|---|---|
| 音色の印象 | 哀愁・透明感・よく通るソロ向き | 柔らかい・丸い・幅広いキャラクター |
| 得意な役割 | オーケストラのソロ、旋律、チューニング音 | メロディ、伴奏、低音寄りの動きまで幅広く担当 |
| 音域の傾向 | 中〜高音中心で、明るく鋭く響く | 低音〜高音まで広く、音域によって性格が変化 |
初心者の方に伝わりやすく言うと、
「遠くまで届く、泣きの入った歌声」がオーボエ、
「包み込むような話し声から、明るい笑い声までこなす」イメージがクラリネット、と表現してもいいかもしれません。
リードと吹き方の違い、ダブルリード vs シングルリード
オーボエとクラリネットの一番大きな違いは、やはりリードです。
オーボエは2枚のリードを向かい合わせに縛ったダブルリードを直接くわえます。リードの振動部分が非常に薄く繊細で、口の形や唇の圧力、息のスピードがわずかに変わるだけで音程や音色が変化します。リード自体も手作りや調整が前提で、市販品をそのまま使い続けるのは難しく、多くの奏者が自分で削ったり微調整しながら使っています。
クラリネットは、一枚のリードをマウスピースにリガチャーで固定するシングルリード方式です。口に含む面積が広く、歯でマウスピースを支え、下唇とリードで振動をコントロールします。もちろんこちらもアンブシュアは繊細ですが、オーボエほど「一息で音程が暴れる」感覚は少なく、初心者でも比較的安定した音が出やすい構造と言えます。
発音のメカニズムにも違いがあります。
オーボエは基本的に「オクターブ上」に跳躍する管で、オクターブキーを使って高音域に移ります。
クラリネットは「12度上」(1オクターブ+長2度)に飛ぶ特徴があり、このため中音域から高音域へ移る「ブレイク」と呼ばれる指づかいの難所が存在します。この構造はクラリネット特有のものです。
オーボエとクラリネットの難易度の違い、どっちが難しいのか?
初心者目線でよく聞かれるのが「オーボエとクラリネット、どっちが難しいですか?」という質問です。
結論から言うと、多くの指導者や奏者は、入門のハードル自体はオーボエの方が高いと感じていることが多いです。ただし、クラリネットにも別の種類の難しさがあります。
オーボエは、まず「音をまっすぐに出す」こと自体が難しい楽器です。リードの抵抗が強く、息をたくさん吸い込むわりにあまり吐き出せないため、体のコントロールが必要になります。音程もわずかなアンブシュアの変化で揺れやすく、慣れないうちは音程が高くなりがちです。それでも、きちんと基礎を積めば、美しくよく通る音を出せるようになり、大きな達成感があります。
クラリネットは、最初の「音を出す」ことに関しては比較的スムーズです。マウスピースの抵抗が適度で、胴体の支えも作りやすいので、安定した音量と音程を得やすい楽器です。ただし、先ほど触れた「ブレイク」の音域(B♭〜Bあたり)の運指が難しく、中級以降は運指やタンギングのスピード、音域ごとの音色コントロールなど高度な技術が求められます。
こんな観点で整理すると、両者の難しさの方向性が見えやすくなります。
| 観点 | オーボエ | クラリネット |
|---|---|---|
| 音を出すまで | 最初の一音から難易度高め | 比較的出しやすい |
| 音程の安定 | 非常にシビア | 比較的安定しやすいが、やはり注意は必要 |
| 体力・息 | 息のコントロールが特殊で慣れが必要 | 息の量は必要だが比較的自然 |
| 運指の難しさ | 中〜高音の切り替えにコツ | ブレイクの運指、広い音域の管理が難しい |
| リードの手間 | 調整・自作の負担が大きい | 市販リードでも運用しやすいが選定は必要 |
初心者にとっては、
「最初の半年〜1年のハードルはオーボエの方が高め、長く続けて高度な表現まで追い込む段階ではどちらも別の方向で難しい」
というイメージを持っておくと良いと思います。
お金とメンテナンスの違い、現実的な話
楽器を選ぶ上で、費用やメンテナンスも無視できません。
一般的に、同クラスのモデルで比べると、オーボエはクラリネットより高価になりがちです。入門モデルでもある程度の品質が必要で、安価すぎるものは音程やメカニズムに問題が出やすいと言われます。また、ダブルリードは消耗も早く、良いリードを継続的に用意する必要があります。リードを自作する場合は、そのための道具や時間もコストとしてかかってきます。
クラリネットは、入門モデルから中級モデルまで価格帯が広く、比較的手に届きやすい選択肢も多いです。リードもダブルリードに比べれば単価が安く、メーカーや硬さを選びながら自分に合うものを見つけていくスタイルが一般的です。調整・オーバーホールはどちらの楽器にも必要ですが、部品の供給や修理のハードルを考えると、クラリネットの方が店の選択肢は多いことが多いです。
費用面を整理すると、オーボエは「初期投資・ランニングコストともに高め」、クラリネットは「選択肢が多く、入門の敷居は比較的低い」という傾向があります。
それでもオーボエを吹きたいという人は多く、希少性もあるからこそ魅力的な楽器なのですけどね。
吹奏楽・オーケストラでの役割の違い
実際のアンサンブルの中で、オーボエとクラリネットは違う役割を担います。
オーケストラでは、オーボエはしばしば「チューニングの基準音」を出す楽器として知られています。Aの音を出し、それに合わせて他の楽器が調律します。また、その独特の存在感から、ソロや重要なメロディラインを任されることが多く、「オーボエソロが名場面」という名曲もたくさんあります。
クラリネットは、吹奏楽でもオーケストラでも人数が多く、メロディから内声、リズムの刻みまで幅広い役割を担当します。音域が広いので、低音寄りの役割を担うバスクラリネットなど、ファミリー全体で見れば「木管セクションの主力」と言えるほど活躍の場があります。ジャズやポピュラー音楽でも使われるため、クラシック以外のジャンルで演奏したい人にはクラリネットの方が道が広いと感じることもあるでしょう。
どっちを選ぶ?向いている人のイメージ
最後に、性格や好みからみた「向いているかもしれない人」のイメージを言葉で描いてみます。
オーボエは、細かい作業や繊細なコントロールが好きで、自分の音をじっくり作り込んでいくタイプの人に向いています。少人数でのアンサンブルやソロに魅力を感じる人、「特別なポジションで責任ある役割を担う」のが好きな人には、オーボエの世界はとても魅力的に映るはずです。
クラリネットは、いろいろな場面で活躍したい人、合奏の中でメロディもハーモニーも両方楽しみたい人にぴったりです。吹奏楽やジャズなど幅広いジャンルに挑戦したい人、まずは安定して演奏を楽しみたい人にとっても、クラリネットはとても現実的で魅力的な選択肢になります。
オーボエを演奏できるようになりたい、 ずっと憧れていたオーボエ。でも独学では・・・ ペール・ギュント組曲より「朝」(グリーグ) / くるみ割り人形より「花のワルツ」(チャイコフスキー) / 惑星より「木星(ジュピター)」(ホルスト) / キラキラ星 / ヒンケNO.1 / 新世界より「遠き山に日は落ちて」(ドヴォルザーク) / G線上のアリア(バッハ) / バレエ組曲「白鳥」より「情景」(チャイコフスキー) / 交響曲第9番「グレート」より(シューベルト) / セレナーデ(シューベルト)
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オーボエかクラリネットかは「好きな音」と「続けられる環境」で決める
オーボエとクラリネットは、同じ木管楽器でも、音、構造、難しさ、役割、お金の面まで含めてそれぞれまったく違う魅力を持っています。
どちらが「良い」「優れている」というものではなく、
自分が「この音で歌いたい」と思えるかどうか、
そして、練習時間や予算、指導環境などを考えたときに「現実的に続けていけるかどうか」が、最終的な判断基準になります。
もし迷っているなら、ぜひ実際に生の音を聴き、できれば試奏もさせてもらってください。同じ説明を読んでも、耳と体で感じた印象は人それぞれ違います。
あなたの耳が一番ワクワクする方を選べば、きっと長く付き合える相棒になってくれるはずです。
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