
サックスはジャズやポップスのイメージが強い楽器ですが、その歴史は意外にも200年近く前のヨーロッパにまで遡ります。ひとりの天才楽器職人によって生み出されたサックスは、誕生後しばらくは受け入れられず苦難の道を歩みながらも、やがて世界中の音楽シーンに欠かせない楽器へと成長しました。この記事では、サックスの誕生から現代に至るまでの歴史を、発明者の人物像とあわせてわかりやすくご紹介します。

教本を見て練習して、サックスは上達しますか?

かっこいい曲を選び、見て聞いて、そして歌うように吹く。本を見ても、指使いや息づかい、細かいところはわからないですよね。今の時代ですから、わかりやすい教本と、わかりやすい動画(ビデオ)で真似して練習してみてください♪

基礎練習を繰り返すのですか?

いいえ。基礎は大切ですが、あこがれのサックスで曲を演奏できることが目的ですから、曲を通じて上達していきましょう♪
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サックスの発明者である「アドルフ・サックス」とはどんな人物か
サックスを発明したのは、ベルギー出身の楽器職人・発明家であるアントワーヌ=ジョゼフ・サックス(通称:アドルフ・サックス)です。1814年11月6日、現在のベルギー・ディナン市に生まれました。
父親も楽器職人であったため、アドルフは幼い頃から楽器製作を身近に学びました。ブリュッセル音楽院でフルートとクラリネットを学んだ後、楽器の設計・改良に強い関心を持つようになります。10代の頃にはすでにクラリネットの改良案を発表するなど、その才能は早くから際立っていました。
しかし、既存の楽器メーカーや演奏家組合からは革新的すぎる発想が反発を受けることも多く、特許争いや営業妨害に何度も悩まされました。サックスの一生は天才的な発明の連続であると同時に、絶え間ない苦難との戦いでもありました。
サックス誕生のきっかけは、オーケストラの課題を解決したかったこと
アドルフ・サックスがサクソフォン(サックス)を開発したのは、1840年代初頭のことです。
当時のオーケストラには、木管楽器と金管楽器の間に「音量と音色のバランス」という課題がありました。木管楽器は繊細で豊かな音色を持つ一方、大編成の金管楽器や打楽器に対して音量が負けてしまうことがあったのです。
サックスはこの問題を解決するために、木管楽器の発音原理(リード)と金管楽器の音量・音の通りやすさを兼ね備えた新しい楽器を構想しました。金属製の管体に木管楽器と同じシングルリードを組み合わせるというアイデアは、当時としては全く斬新なものでした。
サクソフォンの特許取得は、1846年6月28日
アドルフ・サックスは1842年にパリへ移住し、作曲家エクトル・ベルリオーズの支援を受けながら開発を続けました。そして1846年6月28日、フランス特許庁にサクソフォンの特許を取得します。これがサックスの「公式な誕生日」とされています。
特許ではB♭とE♭に調律された8種類のサックスファミリー(ソプラニーノからコントラバスまで)が記載されており、当初からファミリー楽器として設計されていました。現代で主に使われるアルト(E♭管)とテナー(B♭管)はこの原型から直接受け継がれています。
初期の評価と反発
サックスの発明はすぐに広く受け入れられたわけではありませんでした。フランス軍の音楽隊に採用されたことで一定の普及は進みましたが、既存の楽器メーカーや演奏家たちからは強い反発を受けました。「木管でも金管でもない、どこにも属さない楽器」として批判され、特許侵害訴訟に何度も巻き込まれました。
アドルフ・サックス自身は生涯を通じて財政難に悩み、2度の破産を経験しています。1894年にパリで亡くなったとき、彼の発明した楽器がここまで世界中に普及するとは、本人でさえ想像していなかったかもしれません。
サックスの歴史年表
| 年代 | できごと |
|---|---|
| 1814年 | アドルフ・サックス、ベルギー・ディナンに生まれる |
| 1840年代初頭 | サクソフォンの開発を開始。パリへ移住 |
| 1842年 | ベルリオーズがサックスの新楽器を絶賛する評論を発表。注目が集まる |
| 1846年 | フランスでサクソフォンの特許取得(6月28日) |
| 1850〜1860年代 | フランス軍楽隊に採用され普及。クラシック作曲家がサックスのための曲を書き始める |
| 1894年 | アドルフ・サックス、パリにて死去(享年79歳) |
| 20世紀初頭 | アメリカでジャズが誕生。サックスがジャズの中心楽器として急速に普及 |
| 1920〜1930年代 | ビッグバンドジャズの黄金期。チャーリー・パーカーらが登場しサックスの地位を確立 |
| 1950〜1960年代 | ビバップ・クールジャズ・モードジャズなど多様なスタイルでサックスが活躍 |
| 1970年代以降 | ロック・ポップス・フュージョンなど幅広いジャンルへ浸透 |
| 現代 | クラシック・ジャズ・ポップス・吹奏楽など全ジャンルで活躍する世界的な楽器に |
ジャズとサックスは、20世紀に開花!黄金時代
サックスが世界的な人気楽器になった最大のきっかけは、20世紀初頭のアメリカで生まれたジャズです。ニューオーリンズを発祥とするジャズは、即興演奏(インプロビゼーション)と豊かな表現力を重視する音楽で、その特性とサックスの音色は見事に合致しました。
特に1940〜50年代に活躍したチャーリー・パーカー(アルトサックス)はビバップというスタイルを確立し、サックス奏者としての技術と表現の可能性を大きく広げました。その後もジョン・コルトレーン(テナーサックス)、ソニー・ロリンズ(テナーサックス)など伝説的なプレイヤーが次々と登場し、サックスはジャズの象徴的な楽器としての地位を不動のものにしました。
クラシック音楽とサックス
サックスはジャズのイメージが強いですが、クラシック音楽の世界でも重要な地位を占めています。フランスの作曲家ジョルジュ・ビゼーやクロード・ドビュッシーはサックスのための作品を書き、20世紀に入るとポール・クレストン、アレクサンダー・グラズノフなどがサックス協奏曲を作曲しました。今日では世界中の音楽大学にサックス専攻が設置され、クラシック奏者の育成が盛んに行われています。
吹奏楽とサックス
日本ではとりわけ吹奏楽においてサックスが重要な役割を担っています。アルト・テナー・バリトンの3種類が基本編成に含まれ、木管セクションの中核として活躍します。中学・高校の吹奏楽部でサックスを始める人は多く、日本のサックス人口の底上げに大きく貢献しています。
サックスの名前の由来
「サクソフォン(Saxophone)」という名前は、発明者アドルフ・サックスの名字「Sax」と、ギリシャ語で「音」を意味する「phone」を組み合わせたものです。楽器の名前に発明者の名前がそのまま使われているのは非常に珍しいケースで、アドルフ・サックスの貢献の大きさを物語っています。
まとめ
サックスは1846年にベルギー生まれの楽器職人アドルフ・サックスによって発明され、当初の苦難を乗り越えて20世紀のジャズとともに世界的な楽器へと成長しました。木管と金管の特性を兼ね備えたユニークな構造は、クラシック・ジャズ・ポップス・吹奏楽など幅広いジャンルに適応し、今日も世界中の音楽シーンで愛され続けています。その歴史を知ることで、サックスという楽器への愛着がいっそう深まるはずです。
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