
「オーボエ」と一口にいっても、実は複数の種類が存在します。コンサートホールやオーケストラで耳にするスタンダードなオーボエのほか、「イングリッシュホルン」「オーボエ・ダモーレ」「バスオーボエ」など、オーボエファミリーに属する楽器が複数あります。それぞれが異なる音域・音色・役割を持ち、クラシック音楽の様々な場面で活躍しています。
この記事では、オーボエの種類を一覧でわかりやすく解説します。
記事本編の前にちょっとだけご案内させてください! オーボエを演奏できるようになりたい、 ずっと憧れていたオーボエ。でも独学では・・・ ペール・ギュント組曲より「朝」(グリーグ) / くるみ割り人形より「花のワルツ」(チャイコフスキー) / 惑星より「木星(ジュピター)」(ホルスト) / キラキラ星 / ヒンケNO.1 / 新世界より「遠き山に日は落ちて」(ドヴォルザーク) / G線上のアリア(バッハ) / バレエ組曲「白鳥」より「情景」(チャイコフスキー) / 交響曲第9番「グレート」より(シューベルト) / セレナーデ(シューベルト)
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オーボエの種類一覧
| 楽器名 | 調性 | 音域の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| オーボエ(Oboe) | C調(実音) | B♭3〜G6 | 標準的なオーボエ。最も広く使用される |
| オーボエ・ダモーレ(Oboe d'amore) | A調(移調楽器) | G♯3〜E6(実音) | オーボエより短3度低い。ナシ型のベルが特徴 |
| イングリッシュホルン(Cor anglais) | F調(移調楽器) | E3〜C6(実音) | オーボエより完全5度低い。球形ベルと暗めの音色が特徴 |
| バリトンオーボエ | C調(実音) | B♭1〜G4 | 低音域担当。吹奏楽で使われることがある |
| バスオーボエ | C調(実音) | B♭0〜G3 | 非常に低い音域。現代音楽・特殊編成で使用 |
| ヘッケルフォン(Heckelphone) | C調(実音) | A1〜G5 | バスオーボエの一種。ドイツの楽器メーカーが開発 |
スタンダードなオーボエ(Oboe)
一般的に「オーボエ」と呼ばれるのが、C調の標準的なオーボエです。全長約65cm、音域はB♭3〜G6で、オーケストラ・吹奏楽・室内楽など幅広い編成で使用されます。オーケストラでは通常2〜3本編成されており、木管楽器セクションの中心的存在です。
現代では主に「コンセルヴァトワール式(フランス式)」のキーシステムが世界標準となっており、ドイツ・オーストリアでは独自の「ウィーン式」も使われています。グラナディラ(アフリカ黒檀)製が主流ですが、入門モデルには樹脂製も多く流通しています。
オーボエ・ダモーレ(Oboe d'amore)
「愛のオーボエ」という意味を持つオーボエ・ダモーレは、標準オーボエより短3度低いA調の移調楽器です。楽譜上の音より実際の音が短3度低く鳴ります。
外観上の最大の特徴は「梨型(ナシ型)のベル」で、普通のオーボエの末広がりのベルとは形が異なります。この形状が暖かみのある丸みを帯びた音色を生み出しています。
バロック時代にヨハン・セバスティアン・バッハが特に愛用した楽器で、バッハの作品には多数のオーボエ・ダモーレのパートが含まれています。19世紀には一時衰退しましたが、20世紀のバロック音楽復興とともに再び広く演奏されるようになりました。
イングリッシュホルン(Cor anglais/コーラングレ)
オーボエファミリーの中で最もよく知られる楽器のひとつが、イングリッシュホルン(フランス語でコーラングレ)です。標準オーボエより完全5度低いF調の移調楽器で、楽譜上の音より実際の音が完全5度低く鳴ります。
外観はオーボエより一回り大きく、ベルが球形(丸い形)になっているのが特徴です。この球形ベルが、イングリッシュホルン独特の暗く哀愁を帯びた音色を生み出しています。
最も有名なソロパートとして知られるのが、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」第2楽章の冒頭旋律です。この叙情的なメロディはイングリッシュホルンの魅力を余すところなく伝えています。他にもベルリオーズの「幻想交響曲」、シベリウスの交響曲など、ロマン派以降の作品に多用されています。
オーケストラではオーボエ奏者が持ち替えで演奏することが多く、オーボエを習得した後にイングリッシュホルンを学ぶケースが一般的です。運指の基本はオーボエと共通しています。
バリトンオーボエ(Baritone Oboe)
バリトンオーボエはC調の実音楽器で、標準オーボエより1オクターブ低い音域を担当します。吹奏楽の特殊編成で使われることがあり、ダブルリードによる低音の豊かな響きが特徴です。オーケストラではほとんど使用されませんが、吹奏楽の委嘱作品などで登場することがあります。
バスオーボエ(Bass Oboe)
バスオーボエはさらに低い音域を持つ楽器で、現代音楽や特殊な編成の作品で使われます。グスタフ・ホルストの組曲「惑星」に使用されていることで知られていますが、現代では演奏者・楽器ともに希少で、一般的な編成ではほぼ見かけない珍しい楽器です。
ヘッケルフォン(Heckelphone)
ヘッケルフォンは1904年にドイツの楽器メーカー「ヘッケル社」が開発した楽器で、バスオーボエの一種に分類されます。リヒャルト・シュトラウスのオペラ「サロメ」や「エレクトラ」などに使用されており、深くて重みのある音色が特徴です。非常に希少な楽器で、世界に数百本しか現存していないとされています。
オーボエの種類を比較するポイント
各楽器の違いを整理すると、以下の3点が主な比較軸になります。
- 音域の高低:オーボエ(高)→ダモーレ→イングリッシュホルン→バリトン→バス(低)の順に低くなる
- ベルの形:標準オーボエは末広がり、ダモーレは梨型、イングリッシュホルンは球形
- 移調かどうか:オーボエ・ダモーレ(A管)、イングリッシュホルン(F管)は移調楽器。他は実音楽器
初心者はどの種類から始めるべきか
これからオーボエを始める方は、迷わずスタンダードなC調オーボエから始めてください。教材・教則本・レパートリーが最も豊富で、吹奏楽やオーケストラでも標準的に使用されます。
イングリッシュホルンやオーボエ・ダモーレは、オーボエの演奏に慣れた後に持ち替え楽器として学ぶのが一般的です。運指の基本はオーボエと共通しているため、オーボエをしっかり習得すれば比較的スムーズに移行できます。
まとめ
オーボエファミリーには標準オーボエを中心に、オーボエ・ダモーレ、イングリッシュホルン、バリトンオーボエ、バスオーボエ、ヘッケルフォンなど様々な種類があります。それぞれ音域・音色・ベルの形が異なり、クラシック音楽の様々な場面で個性を発揮しています。まずはスタンダードなオーボエから始め、音楽の世界を広げながら他の種類にも興味を持っていただければ、オーボエの奥深い魅力がさらに広がっていくはずです。
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