
「オーボエって、吹奏楽だとあまり目立たなくない?」
吹奏楽部でオーボエを担当している人なら、一度はそう感じたことがあるかもしれません。トランペットやサックスには派手な見せ場があるのに、オーボエはハーモニーの内側で支える場面が多い——。
でも実は、それは半分だけ正解です。オーボエは「ここぞという場面のソロ」を任される楽器で、吹奏楽の名曲にもオーボエが主役になる曲がきちんとあります。
この記事では、吹奏楽でオーボエにソロがある曲・オーボエが目立つ曲を、オリジナル曲とアレンジ曲に分けてまとめました。
なぜ吹奏楽ではオーボエが目立つ曲が少なく感じるのか
オーケストラでは、オーボエは「ソロを吹くためにいる」と言われるほどソロの多い楽器です。白鳥の湖、だったん人の踊り、ブラームスの交響曲——名旋律を挙げればきりがありません。
一方、吹奏楽ではクラリネットが弦楽器の役割を担い、サックスやトランペットが旋律の主役になることが多いため、オーボエの出番は相対的に少なくなります。編成上もオーボエは1〜2人。音量で押す楽器ではないので、合奏の中では「聞こえないけど、いないと物足りない」存在になりがちです。
だからこそ、作曲家はオーボエを曲の一番おいしい場面で使います。静かな中間部、哀愁を帯びた旋律、場面転換の入り口。音量ではなく音色で聴かせる場面は、オーボエの独壇場です。
吹奏楽でオーボエを吹いていた方に話を聞くと「ソロの数は少ないけど、もらえるソロは必ず美味しいところ。プレッシャーも大きいけど」とのことでした。吹奏楽をやっていた人や、よっぽどオーケストラなどに興味がある人でないと、オーボエの音色がどんなものなのか知らないので、「あの楽器、めっちゃいい音じゃない!?何??」と言われたりするのもちょっと嬉しいです。
オーボエ吹きはレアなので、吹奏楽の中でオーボエが目立つ曲は少ないですが、一度オーボエの音色に気づいてしまうと実はどんな曲でもオーボエが強調されて聞こえてしまうというマジックもあるんです(笑)とのこと。
オーボエのソロがある吹奏楽曲
ではこの記事の問題でもある大声のソロがある吹奏楽曲を紹介したいと思います。
アルメニアン・ダンス パートI(A.リード)
動画ではオーボエのところから再生しています。
吹奏楽の金字塔。5つのアルメニア民謡で構成され、中盤の「ヤマウズラの歌」ではオーボエが可憐な旋律を吹き、哀愁に満ちたソロも用意されています。クラリネットとソロを交代しながら歌い継ぐ場面は、オーボエ吹きにとって憧れの瞬間です。
第六の幸福をもたらす宿(M.アーノルド)
映画音楽を原曲とする人気曲。叙情的な場面でオーボエのソロが光ります。コンクール自由曲の定番でもあり、「この曲でオーボエに目覚めた」という奏者も多い名曲です。
交響的序曲(J.バーンズ)
バーンズの代表作のひとつ。華やかな金管の間で、オーボエが歌う場面が印象的に配置されています。
魔女と聖者(S.スウェアリンジェン)
中学・高校の定番曲。冒頭から神秘的な雰囲気を作る場面でオーボエが活躍し、長めのソロがあります。技術的にも比較的取り組みやすく、初めての「ソロ経験」になることが多い曲です。
海の男達の歌(R.W.スミス)
勇壮な男声合唱風の楽想で知られる人気曲。中間部にオーボエの聴かせどころがあり、演奏動画でもオーボエソロが取り上げられるほど印象的です。
風紋(保科洋)
1987年の課題曲として生まれた不朽の名曲。単独のソロではありませんが、冒頭の美しい主旋律をオーボエがクラリネット、アルトサックスとともに提示します。オーボエの音色が全体の色彩を決める重要な役割です。
※コンクール課題曲は年によってオーボエソロが含まれることがあります。その年の課題曲スコアをチェックしてみてください。
アレンジ曲ならオーボエの名場面はさらに豊富
オーケストラ曲の吹奏楽アレンジでは、原曲のオーボエソロがそのまま残っていることが多く、むしろオリジナル曲より「おいしい」場面に出会えます。
白鳥の湖「情景」(チャイコフスキー)
あの有名な主題はオーボエのために書かれています。詳しくはバレエ組曲「白鳥」より「情景」の解説記事をどうぞ。
だったん人の踊り(ボロディン)
オーケストラ屈指の美しいオーボエソロが、吹奏楽版でも聴かせどころです。
新世界より 第2楽章(ドヴォルザーク)
原曲はイングリッシュホルンのソロですが、吹奏楽版ではオーボエ(またはイングリッシュホルン持ち替え)が担当することが多い名旋律です。「遠き山に日は落ちて」の解説記事もあわせてどうぞ。
ジブリ・ディズニーなどのメドレー
オーボエ単独でとなりのトトロを吹くとこんな感じです。
オーケストラではジブリやディズニーを扱うことは少ないですが、中学生や高校生、大学の吹奏楽部ではジブリやディズニーなどの曲を題材にすることは多いです。ジブリやディズニーなどの吹奏楽アレンジでよくオーボエが目立つアレンジになっている曲としては、「となりのトトロ」「魔女の宅急便」などのメドレーでは、素朴で温かい場面の旋律がオーボエに割り当てられることが多く、ポップスステージでも見せ場が作れます。吹奏楽の中にオーボエを担当する人がいない時には他の楽器が目立つ旋律を担当しますが、オーボエ担当がいるならばいい感じになりますよね。
ソロを任されたときの練習のコツ
オーボエのソロは音量より音色勝負です。練習で意識したいのは次の3つです。
1. ロングトーンで「揺れない音」を作る。ソロは伴奏が薄くなるため、音の揺れがそのまま聞こえます。まっすぐ伸ばせる音域を毎日の基礎練習で広げましょう。
2. リードの状態を整える。本番用のリードは複数本をローテーションで育てておくのが鉄則です。選び方はオーボエ初心者のリードの選び方を参考にしてください。
3. プロのお手本を繰り返し聴く・見る。ソロの歌い回しは楽譜だけでは分かりません。プロの演奏を耳と目でコピーするのが最短ルートです。部活でオーボエを教えてくれる人が身近にいない場合は、プロ奏者の演奏を動画で体系的に学べる教材もあります。当サイトで内容を徹底調査した記事があるので参考にしてください。
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まとめ オーボエは「数は少ないが必ずおいしい」
吹奏楽でオーボエが目立つ曲は、トランペットやサックスほど多くはありません。しかし、アルメニアン・ダンスや第六の幸福をもたらす宿のように、曲の一番美しい場面はしばしばオーボエに託されます。ソロの数ではなく質で勝負できるのがオーボエという楽器です。
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