
吹奏楽部の楽器決めで、オーボエを担当することになったあなたへ。まずはおめでとうございます。オーボエはオーケストラでも吹奏楽でも「ここぞという場面」を任される、特別な楽器です。
でも同時に、こんな不安を感じていませんか?
- 部内にオーボエの先輩がいない(いても1人だけ)
- 顧問の先生もオーボエは専門外で、細かいことを教えてもらえない
- 周りのトランペットやクラリネットはどんどん曲を吹き始めているのに、自分はまだ音すら安定しない
実はこれ、あなたのせいでも、あなたの学校が特別なわけでもありません。オーボエ担当は、全国のほとんどの吹奏楽部で「教えてもらえない問題」に直面します。
この記事では、その理由と、教えてくれる人がいなくても効率よく上達する方法をまとめました。記事の後半には保護者の方に向けた内容もあります。お子さんがオーボエ担当になったばかりという方は、後半だけでも読んでいただけると、これから3年間の関わり方のヒントになるはずです。
なぜオーボエは部活で教えてもらえないのか
理由はシンプルで、オーボエを吹ける人が圧倒的に少ないからです。
吹奏楽の編成でオーボエは1〜2人。クラリネットが10人いる部活でも、オーボエは1人ということが普通です。つまり「教えてくれる先輩」が部内にいる確率がそもそも低い。運よく先輩がいたとしても、その先輩自身が誰にも教わらないまま手探りでやってきた、というケースが少なくありません。
顧問の先生も、金管や打楽器出身であればオーボエのリードやアンブシュア(口の形)の細かい指導は難しいのが実情です。これは先生の熱意の問題ではなく、オーボエという楽器があまりにも特殊だからです。
さらにオーボエは「世界一難しい木管楽器」としてギネスに認定されるほど、最初のハードルが高い楽器です。2枚リードの扱いも、独特の息のコントロールも、複雑な運指も、どれも「見て教えてもらう」のが一番早い技術なのに、見せてくれる人が身近にいない。これがオーボエ担当の中高生が直面する構造的な問題です。
学生時代にオーボエを担当していた方に話を聞くと「先輩が卒業してからは完全に手探り。合奏で音程を注意されても、どう直せばいいのか分からないのが一番つらかった」とのことでした。注意はされるのに直し方は誰も教えてくれない。この状態が続くと、練習そのものが苦痛になってしまいます。
最初の1年でつまずきやすい3つのポイント
1. アンブシュア(口の形)の自己流化
誰にも見てもらえないまま練習を続けると、間違った口の形が癖になります。癖は後から直すほうが何倍も大変で、「2年生になって音色で伸び悩む」原因の多くがここにあります。やっかいなのは、間違った口の形でも一応は音が出てしまうことです。音が出るから本人は気づかない。気づいた頃には癖が固まっている。オーボエで一番多い遠回りのパターンです。
2. リード選びと管理
オーボエの音はリードで決まります。ところがリードは1本1,500〜3,000円程度の消耗品で、個体差も大きく、選び方を知らないと「リードが悪いのか自分が悪いのか分からない」迷路に入ります。上手な人はリードを見て触って吹いて、使えるかどうかを判断できますが、その判断基準こそ教わらないと身につかない知識です。オーボエ初心者のリードの選び方で基本を押さえておきましょう。
3. 「正解の音」を知らないまま練習してしまう
プロのオーボエの音を毎日聴いている中高生はほとんどいません。目指す音のイメージがないまま練習するのは、地図を持たずに歩くようなものです。まずは好きなオーボエ奏者の演奏を1つ見つけて、毎日聴くことから始めてください。吹奏楽でオーボエが目立つ曲で紹介している曲の音源もおすすめです。
きれいな音は「上手な人のまね」からしか生まれない
ここで少し、上達の本質の話をさせてください。
合奏の中で埋もれない芯のある音、ソロで聴く人を振り向かせる美しい音色、ロングトーンで揺れない安定感。オーボエ担当なら誰もが目指すこの状態は、残念ながら教則本の文字を読むだけではたどり着けません。
理由があります。オーボエの音色を決めるのは、唇の巻き込み具合、リードをくわえる深さ、口の中の空間の作り方、息の圧力のかけ方といった、外からは見えにくい体の使い方だからです。文字で「唇を軽く巻き込んで」と読んでも、どのくらいが「軽く」なのかは分かりません。上手な人が実際にやっているところを見て、まねをして、自分の音と聴き比べる。この繰り返しでしか、美しい音は作れないのです。
ピアノやギターなら独学の情報も世の中にあふれています。ところがオーボエは吹ける人自体が少ないので、正しいお手本に出会えるかどうかが、そのまま上達の分かれ道になります。全国のオーボエ担当の差は、才能の差ではなく「お手本にアクセスできたかどうか」の差だと言っても言い過ぎではありません。
教えてくれる人がいない場合の上達ルート
選択肢は大きく3つあります。
| 方法 | 費用の目安 | 向き不向き |
|---|---|---|
| 音楽教室に通う | 月5,900円〜(60分×月1回) | 確実だが、部活との両立・送迎・教室の少なさがネック |
| 教則本+独学 | 2,000〜3,000円 | 音の出し方が文字では分からず、自己流の癖がつきやすい |
| 動画教材で学ぶ | 36,080円(買い切り) | プロの手元・口元を何度でも確認できる。部活の帰宅後でも自分のペースで学べる |
教室に通えるならそれが一番です。ただ、オーボエ教室は数が少なく、部活後の時間や土日の予定と合わせるのは現実には簡単ではありません。大会前は部活が週6日ということも珍しくなく、そこにレッスンを組み込むのは本人にも家庭にも負担がかかります。
そこで現実的な選択肢になるのが動画教材です。プロのオーボエ奏者、佐藤亮一先生(ウィーンで活躍)による「初心者向けオーボエ教本&DVD 3弾セット」は、楽器の組み立てからアンブシュア、リードの選び方、名曲の演奏まで映像で体系的に学べる、日本で唯一の動画付きオーボエ教材です。前の章で書いた「上手な人のまね」を、自宅で好きなだけ繰り返せる環境が作れます。当サイトで内容を徹底調査した記事があります。
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保護者の方へ、レッスンに通わせる前に知ってほしいこと
お子さんが吹奏楽部でオーボエを担当することになった保護者の方に、知っておいていただきたいことが2つあります。
1つ目は、オーボエは「習いに行く」のが難しい楽器だということ。ピアノ教室なら徒歩圏内に何軒もありますが、オーボエを教えられる教室は都市部でも限られます。見つかったとしても、部活後や週末のスケジュールと合わせるのは負担が大きいのが実情です。レッスン料は60分5,900円前後が相場ですから、月2回通うと年間14万円ほどになります。そこに送迎の時間と交通費が加わります。
2つ目は、独学の「自己流の癖」は後から直すのが大変だということ。最初の数ヶ月で正しいフォームを身につけられるかどうかが、3年間の上達を左右します。部内に教えられる人がいない場合、この最初の数ヶ月を手探りで過ごすことになります。本人が一番頑張っている時期に、頑張り方だけが分からない。これはお子さんにとって想像以上につらい状況です。
部活の3年間は、思っているより短いものです。1年生の秋には初めてのコンクール、2年生では部の主力、3年生の夏には引退。正しいスタートを切れるかどうかで、この3年間の充実度は大きく変わります。
動画教材(買い切り36,080円)は、教室1年分の4分の1程度の費用で、プロのお手本を「いつでも、何度でも」確認できる環境を作れます。送迎も不要で、お子さんが自分のペースで練習できるため、部活と両立しやすいのも利点です。合奏で使う技術を家で予習・復習できるので、「部活では教えてもらえない」問題を家庭でカバーする手段として検討する価値があります。
もうひとつ、金額の面で補足しておくと、月謝制の習い事と違って買い切りなので、追加の費用がかからず、卒業まで、そしてその先も使い続けられます。塾や他の習い事と比べたときの費用対効果としても、決して高い買い物ではないはずです。
なお、楽器を学校の備品ではなく自分用に購入する場合の予算感はオーボエの値段と選び方にまとめています(入門用で15万〜25万円程度。まずは学校の楽器で始めるのが一般的です)。
よくある質問
最初は学校の備品で十分です。続けたい気持ちが固まってから購入を検討しましょう。中古を探す場合はオーボエの値段と選び方を参考に、必ず管楽器専門店で状態を確認してもらってください。
1本1,500〜3,000円程度で、練習量にもよりますが月に数本消費します。複数本のローテーションが基本です。
長時間より毎日短時間です。自宅ではリードだけの練習(クローイング)や運指の確認など、音を出さずにできる練習もあります。自宅練習の環境づくりはオーボエ練習の環境作りをどうぞ。
教材は基礎のフォームと音作りを固めるためのものです。土台ができると、合奏での指摘が「直せる指摘」に変わります。音程を注意されたときに、原因がアンブシュアなのかリードなのか息なのか、自分で見当をつけられるようになることが、合奏についていく一番の近道です。
教えてもらえない環境は工夫で越えられる!
部内に教えてくれる人がいないのは、オーボエ担当なら全国どこでも同じです。差がつくのは環境ではなく、「正しいお手本にアクセスできるかどうか」。プロの演奏を毎日聴き、映像でフォームを確認し、リードの基本を押さえれば、独りでも確実に上達できます。
オーボエは3年間で「あの子の音、きれいだね」と言われるようになれる楽器です。焦らず、正しい道具と手順で進んでください。
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